令和3年3月1日から実施

信用取引に係る委託保証金の率の引上げ措置等に関するガイドライン

株式会社東京証券取引所(以下「当取引所」という。)は、個別銘柄に係る信用取引の利用が過度であると認める場合には、以下のガイドラインに基づき、当該銘柄の信用取引に係る委託保証金の率の引上げ措置等を実施する。

T.実施基準

1.第一次措置の実施基準

日々公表銘柄に指定した銘柄のうち、次に掲げる(1)〜(4)の基準のいずれかに該当した銘柄については、該当を確認した日の翌営業日以降の信用取引による新規の売付け又は買付けに係る委託保証金の率の引上げ等の措置を実施する。

(1)残高基準
次のいずれかに該当する場合
  • 売残高の対上場株式数比率が15%以上で、かつ、売残高の対買残高比率が  70%以上である場合
  • 買残高の対上場株式数比率が30%以上で、かつ、3営業日連続して各営業日の株価と各営業日時点における25日移動平均株価との乖離が30%以上(各営業日の株価が各営業日時点における25日移動平均株価を超過している場合に限る。)である場合
  • 当取引所が「信用取引残高が継続的に増加している銘柄」として公表した日の翌月の応当日以降において、売残高の対上場株式数比率が15%以上又は買残高の対上場株式数比率が30%以上である場合
(2)信用取引売買比率基準
3営業日連続して各営業日の株価と各営業日時点における25日移動平均株価との乖離が30%以上であり、かつ、次のいずれかに該当する場合(各営業日の売買高が1,000売買単位以上である場合に限る。)
  • 3営業日連続して信用取引の新規売付比率が20%以上である場合(各営業日の株価が各営業日時点における25日移動平均株価未満である場合に限る。)
  • 3営業日連続して信用取引の新規買付比率が40%以上である場合(各営業日の株価が各営業日時点における25日移動平均株価を超過している場合に限る。)
(3)売買回転率基準
1営業日の株価と当該営業日時点における25日移動平均株価との乖離が20%以上であり、かつ、次のいずれかに該当する場合
  • 当該営業日の売買高が上場株式数以上であり、かつ、当該営業日の信用取引の新規売付比率が30%以上である場合(当該営業日の株価が当該営業日時点における25日移動平均株価未満である場合に限る。)
  • 当該営業日の売買高が上場株式数以上であり、かつ、当該営業日の信用取引の新規買付比率が60%以上である場合(当該営業日の株価が当該営業日時点における25日移動平均株価を超過している場合に限る。)
(4)特例基準
(1)〜(3)の基準のいずれにも該当しない場合において、当取引所が信用取引の利用状況や銘柄の特性を考慮し必要と判断した場合

2.第二次措置の実施基準

第一次措置を実施している銘柄のうち、次に掲げる(1)〜(4)の基準のいずれかに該当した銘柄については、該当を確認した日の翌営業日以降の信用取引による新規の売付け又は買付けに係る委託保証金の率のさらなる引上げ等の措置を実施する。

(1)残高基準
次のいずれかに該当する場合
  • 売残高の対上場株式数比率が20%以上(売残高が第一次措置の実施基準該当日における売残高と比べて上場株式数の2.5%以上増加している場合に限る。)で、かつ、売残高の対買残高比率が80%以上である場合
  • 買残高の対上場株式数比率が40%以上(買残高が第一次措置の実施基準該当日における買残高と比べて上場株式数の5%以上増加している場合に限る。)で、かつ、3営業日連続して各営業日の株価と各営業日時点における25日移動平均株価との乖離が30%以上(各営業日の株価が各営業日時点における25日移動平均株価を超過している場合に限る。)である場合
  • 第一次措置実施時に1.(1)残高基準ハ.に該当した場合で、売残高の対上場株式数比率が20%以上(売残高が第一次措置の実施基準該当日における売残高と比べて上場株式数の2.5%以上増加している場合に限る。)である場合、又は、買残高の対上場株式数比率が40%以上(買残高が第一次措置の実施基準該当日における買残高と比べて上場株式数の5%以上増加している場合に限る。)である場合
(2)信用取引売買比率基準
3営業日連続して各営業日の株価と各営業日時点における25日移動平均株価との乖離が30%以上であり、かつ、次のいずれかに該当する場合(各営業日の売買高が1,000売買単位以上である場合に限る。)
  • 3営業日連続して信用取引の新規売付比率が20%以上である場合(各営業日の株価が各営業日時点における25日移動平均株価未満である場合に限る。)
  • 3営業日連続して信用取引の新規買付比率が40%以上である場合(各営業日の株価が各営業日時点における25日移動平均株価を超過している場合に限る。)
(3)売買回転率基準
1営業日の株価と当該営業日時点における25日移動平均株価との乖離が20%以上であり、かつ、次のいずれかに該当する場合
  • 当該営業日の売買高が上場株式数以上であり、かつ、当該営業日の信用取引の新規売付比率が30%以上である場合(当該営業日の株価が当該営業日時点における25日移動平均株価未満である場合に限る。)
  • 当該営業日の売買高が上場株式数以上であり、かつ、当該営業日の信用取引の新規買付比率が60%以上である場合(当該営業日の株価が当該営業日時点における25日移動平均株価を超過している場合に限る。)
(4)特例基準
(1)〜(3)の基準のいずれにも該当しない場合において、当取引所が信用取引の利用状況や銘柄の特性を考慮し必要と判断した場合

3.第三次措置の実施基準

第二次措置を実施している銘柄のうち、次に掲げる(1)〜(4)の基準のいずれかに該当した銘柄については、該当を確認した日の翌営業日以降の信用取引による新規の売付け又は買付けに係る委託保証金の率のさらなる引上げ等の措置を実施する。

(1)残高基準
次のいずれかに該当する場合
  • 売残高の対上場株式数比率が25%以上(売残高が第二次措置の実施基準該当日における売残高に比べて上場株式数の2.5%以上増加している場合に限る。)で、かつ、売残高の対買残高比率が90%以上である場合
  • 買残高の対上場株式数比率が50%以上(買残高が第二次措置の実施基準該当日における買残高に比べて上場株式数の5%以上増加している場合に限る。)で、かつ、3営業日連続して各営業日の株価と各営業日時点における25日移動平均株価との乖離が30%以上(各営業日の株価が各営業日時点における25日移動平均株価を超過している場合に限る。)である場合
  • 第二次措置実施時に2.(1)残高基準ハ.に該当した場合で、売残高の対上場株式数比率が25%以上(売残高が第二次措置の実施基準該当日における売残高と比べて上場株式数の2.5%以上増加している場合に限る。)である場合、又は、買残高の対上場株式数比率が50%以上(買残高が第二次措置の実施基準該当日における買残高と比べて上場株式数の5%以上増加している場合に限る。)である場合
(2)信用取引売買比率基準
3営業日連続して各営業日の株価と各営業日時点における25日移動平均株価との乖離が30%以上であり、かつ、次のいずれかに該当する場合(各営業日の売買高が1,000売買単位以上である場合に限る。)
  • 3営業日連続して信用取引の新規売付比率が20%以上である場合(各営業日の株価が各営業日時点における25日移動平均株価未満である場合に限る。)
  • 3営業日連続して信用取引の新規買付比率が40%以上である場合(各営業日の株価が各営業日時点における25日移動平均株価を超過している場合に限る。)
(3)売買回転率基準
1営業日の株価と当該営業日時点における25日移動平均株価との乖離が20%以上であり、かつ、次のいずれかに該当する場合
  • 当該営業日の売買高が上場株式数以上であり、かつ、当該営業日の信用取引の新規売付比率が30%以上である場合(当該営業日の株価が当該営業日時点における25日移動平均株価未満である場合に限る。)
  • 当該営業日の売買高が上場株式数以上であり、かつ、当該営業日の信用取引の新規買付比率が60%以上である場合(当該営業日の株価が当該営業日時点における25日移動平均株価を超過している場合に限る。)
(4)特例基準
(1)〜(3)の基準のいずれにも該当しない場合において、当取引所が信用取引の利用状況や銘柄の特性を考慮し必要と判断した場合

4.第四次措置の実施基準

第三次措置を実施している銘柄のうち、次に掲げる(1)〜(4)の基準のいずれかに該当した銘柄については、該当を確認した日の翌営業日以降の信用取引による新規の売付け又は買付け(取引参加者証券会社による自己の信用売り又は信用買いを含む。)を禁止する。

(1)残高基準
次のいずれかに該当する場合
  • 売残高の対上場株式数比率が30%以上(売残高が第三次措置の実施基準該当日における売残高と比べて上場株式数の2.5%以上増加している場合に限る。)で、かつ、売残高の対買残高比率が100%以上である場合
  • 買残高の対上場株式数比率が60%以上(買残高が第三次措置の実施基準該当日における買残高と比べて上場株式数の5%以上増加している場合に限る。)で、かつ、3営業日連続して各営業日の株価と各営業日時点における25日移動平均株価との乖離が30%以上(各営業日の株価が各営業日時点における25日移動平均株価を超過している場合に限る。)である場合
  • 第三次措置実施時に3.(1)残高基準ハ.に該当した場合で、売残高の対上場株式数比率が30%以上(売残高が第三次措置の実施基準該当日における売残高と比べて上場株式数の2.5%以上増加している場合に限る。)である場合、又は、買残高の対上場株式数比率が60%以上(買残高が第三次措置の実施基準該当日における買残高と比べて上場株式数の5%以上増加している場合に限る。)である場合
(2)信用取引売買比率基準
3営業日連続して各営業日の株価と各営業日時点における25日移動平均株価との乖離が30%以上であり、かつ、次のいずれかに該当する場合(各営業日の売買高が1,000売買単位以上である場合に限る。)
  • 3営業日連続して信用取引の新規売付比率が20%以上である場合(各営業日の株価が各営業日時点における25日移動平均株価未満である場合に限る。)
  • 3営業日連続して信用取引の新規買付比率が40%以上である場合(各営業日の株価が各営業日時点における25日移動平均株価を超過している場合に限る。)
(3)売買回転率基準
1営業日の株価と当該営業日時点における25日移動平均株価との乖離が20%以上であり、かつ、次のいずれかに該当する場合
  • 当該営業日の売買高が上場株式数以上であり、かつ、当該営業日の信用取引の新規売付比率が30%以上である場合(当該営業日の株価が当該営業日時点における25日移動平均株価未満である場合に限る。)
  • 当該営業日の売買高が上場株式数以上であり、かつ、当該営業日の信用取引の新規買付比率が60%以上である場合(当該営業日の株価が当該営業日時点における25日移動平均株価を超過している場合に限る。)
(4)特例基準
(1)〜(3)の基準のいずれにも該当しない場合において、当取引所が信用取引の利用状況や銘柄の特性を考慮し必要と判断した場合
  • (注1)1.〜4.の各(1)については、当該基準に該当した場合であっても、当取引所が残高の推移を注視する必要があると判断した場合には、翌営業日における当該基準への該当を確認した後に実施することができる。
  • (注2)1.〜4.の各(1)については、当該基準に該当しない場合であっても、当取引所が信用取引の利用状況から翌営業日に当該基準の水準を大幅に上回ることが見込まれると判断した場合には、当該基準を適用することができる。
  • (注3)当取引所は、「日々公表銘柄」に指定された銘柄及び信用取引に係る委託保証金の率の引上げ措置等を実施された銘柄のうち、売残高の対上場株式数比率が15%以上又は買残高の対上場株式数比率が30%以上である場合であって、当該銘柄の取引状況等を踏まえ必要と認めるときは、「信用取引残高が継続的に増加している銘柄」として公表することができる。
  • (注4)1.〜4.の各(2)イ.については、売買高又は信用取引の新規売付比率が当該基準に該当しない場合であっても、売買立会において、呼値の制限値幅の下限の値段で午後立会終了時にのみ売買が成立する場合又は売買が成立せず呼値の制限値幅の下限の値段が最終特別気配として表示されるときには、「売買高」とあるのは「売注文数量」と、「信用取引の新規売付比率」とあるのは「信用取引の新規売注文比率」と読み替えて適用するものとする。
  • (注5)1.〜4.の各(2)ロ.については、売買高又は信用取引の新規買付比率が当該基準に該当しない場合であっても、売買立会において、呼値の制限値幅の上限の値段で午後立会終了時にのみ売買が成立する場合又は売買が成立せず呼値の制限値幅の上限の値段が最終特別気配として表示されるときには、「売買高」とあるのは「買注文数量」と、「信用取引の新規買付比率」とあるのは「信用取引の新規買注文比率」と読み替えて適用するものとする。
  • (注6)1.〜4.の各(3)について、初値決定日の翌々営業日以降、上場日から起算して24営業日までの間においては、「当該営業日時点における25日移動平均株価」とあるのは、1.(3)の場合には「日々公表銘柄の指定に係る基準該当日の株価」と、2.〜4.の各(3)の場合には「直前の措置に係る実施基準該当日の株価」と読み替えて適用するものとする(1.〜4.の各(3)イ.については、当該営業日の株価が呼値の制限値幅の下限の値段であり、かつ、当該営業日の前日までに行われた日々公表銘柄の指定又は措置に係る該当基準がいずれも売買回転率基準ロ.でない場合に限るものとし、1.〜4.の各(3)ロ.については、当該営業日の株価が呼値の制限値幅の上限の値段であり、かつ、当該営業日の前日までに行われた日々公表銘柄の指定又は措置に係る該当基準がいずれも売買回転率基準イ.でない場合に限るものとする。)。

U.委託保証金の率の引上げ等の措置の内容

委託保証金の率の引上げ等の措置は、第一次措置において以下の率を加えることとし、第二次措置以降は、直前の措置における引上げ後の率に以下の率を加えることとする。

  • 委託保証金率:100分の20
  • うち現金担保分:100分の20

なお、当取引所が信用取引の利用状況、銘柄の特性及び市況全般との関連性等を踏まえて必要と判断した場合には、措置の内容を変更することができる。

V.解除基準

次に掲げる(1)及び(2)の基準のすべてに該当した銘柄については、委託保証金の率の引上げ等の措置を解除する。

(1)残高基準
次のイ.及びロ.のすべてに該当する場合
  • 5営業日連続して売残高の対上場株式数比率が12%未満である場合
  • 5営業日連続して買残高の対上場株式数比率が24%未満である場合
(2)株価基準
5営業日連続して各営業日の株価と各営業日時点における25日移動平均株価との乖離が15%未満である場合
(3)特例基準
(1)及び(2)の基準のすべてに該当している場合であっても、当取引所が信用取引の利用状況や銘柄の特性を考慮し必要と判断した期間は措置を解除しないことができる。
  • (注1)(2)について、次に該当するときは乖離率にかかわらず15%未満とみなすものとする。
  • (1)実施基準の該当日における株価が25日移動平均株価を超過していた場合において、各営業日の株価が25日移動平均株価未満であるとき
  • (2)実施基準の該当日における株価が25日移動平均株価未満であった場合において、各営業日の株価が25日移動平均株価を超過しているとき
  • (注2)(2)について、上場日から起算して10営業日以降24営業日までの間においては、「25日移動平均株価」とあるのは「上場来移動平均株価」と読み替え、次に該当するときは乖離率にかかわらず15%未満とみなすものとする。
  • (1)実施基準の該当日における株価が直前に行われた日々公表銘柄の指定又は措置に係る基準該当日の株価を超過していた場合において、各営業日の株価が上場来移動平均株価未満であるとき
  • (2)実施基準の該当日における株価が直前に行われた日々公表銘柄の指定又は措置に係る基準該当日の株価未満であった場合において、各営業日の株価が上場来移動平均株価を超過しているとき
  • (注3)上場廃止が決定された銘柄については、委託保証金の率の引上げ等の措置を解除することができる。

W.その他

  • 株券以外の上場有価証券については、株券に準じて取り扱うものとする。ただし、ETF及びETNについては、商品性を踏まえて取り扱うものとする。
  • 「株価」は、直近の最終価格(最終気配表示が行われているときは、当該気配表示値段。)とする。
  • 「売買高」は、売買立会による売買高とする。
  • 「25日移動平均株価」とは、基準とする営業日を最終日とする連続した25営業日の株価の平均値(小数点以下第二位を四捨五入する。)をいう。ただし、株式分割等が行われた場合は、適宜修正を行うものとする。
  • 「上場来移動平均株価」とは、上場日から基準とする営業日までの株価の平均値(小数点以下第二位を四捨五入する。)をいう。ただし、株式分割等が行われた場合は、適宜修正を行うものとする。
  • 「信用取引の新規売付比率」及び「信用取引の新規買付比率」とは、売買立会における信用取引による新規売付け及び新規買付けの数量(売買が成立したものに限る。)の売買高に対する比率をいう。
  • 「売注文数量」及び「買注文数量」とは、午後立会終了時における、呼値の制限値幅の下限の値段の売呼値(成行呼値を含む。)の数量及び呼値の制限値幅の上限の値段の買呼値(成行呼値を含む。)の数量をいう(いずれも売買立会のものに限る。)。
  • 「信用取引の新規売注文比率」及び「信用取引の新規買注文比率」とは、午後立会終了時における、呼値の制限値幅の下限の値段の信用取引による新規売呼値(成行呼値を含む。)の数量の売注文数量に対する比率及び呼値の制限値幅の上限の値段の信用取引による新規買呼値(成行呼値を含む。)の数量の買注文数量に対する比率をいう(いずれも売買立会のものに限る。)。
  • 売残高及び買残高、信用取引の新規売付比率及び信用取引の新規買付比率、売注文数量及び買注文数量並びに信用取引の新規売注文比率及び信用取引の新規買注文比率は、いずれも取引参加者である証券会社の報告及び申告に基づいて集計するもので、事後的に取引参加者である証券会社により訂正の申告が行われた場合には、当該訂正の内容を考慮しないこととする。
  • 上記T.〜V.にかかわらず、信用取引の利用状況から当取引所が必要と判断した場合には、信用取引による売付け若しくは買付け(取引参加者証券会社による自己の信用売り又は信用買いを含む。)の制限又は禁止の措置を実施することができる。

以上
(令和3年3月1日実施)

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