特定口座における「平均価格」「取得金額」「譲渡損益の計算方法」について
特定口座において株式等を譲渡した場合の平均価格(特定価格・1株当たりの取得単価)及び取得金額(特定金額)の計算は、総平均法に準ずる方法に従って計算を行います。
総平均法に準ずる方法とは、株式等をその種類及び銘柄の異なるごとに区分し、その種類等の同じものについて、その株式等を最初に取得した時(取得後において既にその株式等を譲渡している場合には直前の譲渡の時)から、その譲渡の時までの期間を基礎として、1単位当たりの金額を計算する方法をいいます。
総平均法に準ずる方法のポイント
- 平均価格は手数料込みの1株当たりの取得単価(円未満切り上げ)となります。
- 複数回以上に分けて購入した同一銘柄の平均価格は総平均に準じた方法で計算されます。
- 特定口座の取得金額の計算において同一日の売買は約定の時刻にかかわらず買付が先にあったとして、前営業日からの残高と取得金額を総平均します。
- 利益、損失の確定のために売りと買いを行う場合には約定日がずれる必要があります。同一日に売買を行うと従前の取得金額と総平均されますのでご注意ください。
計算式
同一銘柄の株式等を譲渡した場合の平均価格及び取得金額、譲渡損益の計算は、当該銘柄の譲渡時において、その都度、次の順序により行います。
- @ 平均価格(特定価格) = 残高簿価金額÷残高数量(株数)【円未満切り上げ】
- A 取得金額(特定金額) = 平均価格×譲渡数量(株数)
- B 譲渡損益 = 譲渡金額−取得金額
残高簿価金額 = 前営業日平均価格×前営業日株数+追加で買付分の受渡金額
計算に必要な「残高簿価金額」は、株式等の買付及び売付(譲渡)の都度、計算・管理します。
具体的には、次により計算を行います。
A銘柄の 取引日 |
売買 | 数量 (株数) |
単価 | 金額 | 手数料 | 残高数量 (株数) |
残高簿価 金額 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
11/11 | 買 | 600 | 600 | 360,000 | 192 | 600 | 360,192 |
11/12 | 買 | 500 | 500 | 250,000 | 192 | 1,100 | 610,384 |
11/13 | 買 | 400 | 570 | 228,000 | 192 | 1,500 | 838,576 |
11/14 | 売 | △300 | 650 | 195,000 | 104 | 1,200 | 672,000 |
上記の取引例では、11月14日の株式A銘柄300株の平均価格及び譲渡損益は、次により計算します。
- @ 平均価格=838,576÷1,500株=559.0506…【円未満切り上げ】 ≒560円
注) 残高簿価金額(11月13日時点)
(600円×600株+手数料192円)+(500円×500株+手数料192円)+(570円×400株+手数料192円)=838,576円 - A 取得金額=560円×300株=168,000円
- B 譲渡損益=(195,000-104円)-168,000円=26,896円
A銘柄300株譲渡後の残余株数1,200株の【残高簿価金額】は、560円×1,200株=672,000円となります。