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連載コラム「株の始め方」

第10回  信用取引をやってみよう(後編)

・中級へのステップ

信用取引に慣れてきたら、ちょっとステップアップしてみましょう。
制度信用取引は、6ヶ月以内に清算する必要があるため、信用取引をしている株数の残高を調べることによって株価の動きを予測することができます。これは、信用取引にはもちろん、現物取引にも大いに活用できます。

信用売りされている株数を「売り残」、信用買いされている株数を「買い残」といい、金融商品取引所が毎週火曜日に発表しています。日本経済新聞などには翌日水曜日に掲載されます。

「買い残」が増えているときは、その銘柄がこれから上がると考える人が多い、つまり上昇傾向だと判断することができます。しかし、信用買いした株は制度信用取引の場合、必ず6ヶ月以内に清算しなければいけません。つまり「買い残」は将来の“売り予備軍”だと考えることができます。買い残が増えつつ株価も上昇しているような場合はまだまだ上昇していくと考えられますが、買い残が増えているにもかかわらず株価の上昇が衰えてきたら、売りが出始めた、株価は今後下落に転じると予測できます。そこで、この時点で信用売りをしておきます。その後株価が下がり買い残も減少してくれば、売りも一巡しそろそろ買いも入ってきそうだと考え、利益を確定します。そしてそこが信用買いのチャンスとなります。このように、買い残と株価の動きを追っていくことにより、売り買いのタイミングをつかめるようになります。

また、以前お話ししたように、信用売りの貸株が不足してくると逆日歩がついてきます。逆日歩は信用売りをしている人にとってはコストとなりますので、早めに清算しようと考える人が多くなってきます。つまり、逆日歩がついた銘柄は、株価が上昇すると予測できます。このように、いろいろな信用取引に関するデーターをみながら戦略を立てることが可能です。ただし一つの数字だけで判断するのは危険です。いくつかのデーターを組み合わせながら考えていきましょう。

また、二銘柄を同時に信用売りと信用買いをすることによって、利益を取る方法もあります。「ペアトレード」または「さや取り」とも言われます。
これは、値動きに連動性のある二つの銘柄は、同じような動きをしながらも、株価が乖離するところと接近するところがあり、その株価の差を利用しようという方法です。

たとえば、連動性が高い二つの銘柄を見つけ、チャートを観察します。その差が大きくなったところで、株価が高い方の銘柄を「信用売り」、安い方の銘柄を「信用買い」します。その後、株価が接近してくるとチャートの差も縮まってきます。そこで、それぞれを反対売買することによって利益を取るしくみです。ただし、このペアトレードを成功させるコツは、二つの銘柄の連動性にかかっています。同業種の中で大手の会社から、株価が近い二社を選ぶ方法がやりやすいと思います。そして、その二銘柄の過去のチャートを見比べて、連動性の有無を確認し、株価が離れたり接近したりする周期などのパターンを見つけるといいでしょう。ただし、株はパターン通りの動きをしないこともありますので、この点はご留意ください。

[コラム執筆者]

時川郁
CFP。1963年熊本県生まれ。大妻女子大学短期大学部卒業。
日興證券にて11年間窓口営業に従事。1996年にファイナンシャルプランナーとして独立。マネー・ライフプランの個別相談から、セミナー・執筆など精力的に活動している。熊本日日新聞「家計のイロハ」、月刊家族時間「お金の学校」などを執筆。

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