小 富士夫
(コダカ フジオ)
1956年栃木県生まれ。
駒沢大学卒業後、79年山文証券(現むさし証券)入社。2001年執行役員浦和支店長、04年取締役執行役員、06年取締役常務執行役員を経て、08年より代表取締役社長に就任。座右の銘は「継続は力なり」。
櫻井
私がむさし証券に対して思う印象は、「非常にまじめで、人にやさしく、商品開発にも熱心な」会社だというものです。今年で95周年を迎え、地域密着型証券会社として存在感を増していると思います。
小
そういう印象を持っていただけるのは非常に嬉しいですね。これまで焦らずじっくりと、ほふく前進でやってきた結果が今に繋がっているのだと思います。
来たるべき100周年に向けても、夢と希望を持ちつつ、現実的な事業ビジョンに基づいて、地道にやっていきたいと考えています。
冨田
私が感心するのは、日本橋から大宮に拠点を移し、埼玉県という地域で確固たる基盤を築いているという点です。
大宮に拠点を移すという経営判断も業界の常識では異色ですが、首都圏を見渡しても、地場証券として存在感のある証券会社は他にはありません。
櫻井 英明
(サクライ ヒデアキ)
1957年東京生まれ。
80年日興證券入社、05年「株式新聞Weekly」編集長。06年4月よりラジオNIKKEIの「東京マーケットLIVE」月・火曜後場キャスターを務めている。現在、「ストックウェザー」編集長。
小
おかげ様で大宮に本社を移して以来、県や地元企業との関係も深まりました。これには、地域密着型の証券会社として、地域への貢献を重視していたことも大きかったのではないでしょうか。当社はこれまでも福祉車両の寄付を積極的に行ってきましたが、今後は福祉施設の子供たちの教育や、いじめ対策に貢献することができないかと考えています。少子化の時代だからこそ、人と人とのふれあいや家族の温かさが大切になる。モノの支援だけではなく、心の部分で地域を支援できないだろうかと思っています。
櫻井
なるほど。ところで、これまでの25年間で日本の証券業界再編の第1段階が終了し、現在は第2段階を迎えていると思います。その中でむさし証券は、地域密着型の証券会社としてトップランナーの地位を走っていると思うのですがいかがですか。
小
客観的に見れば、今後も業界再編は進むでしょう。そうした中で私たちのような地場証券会社が生き残るためにはどうすべきなのか。それには独自の事業ビジョンを持たなければならないと考えています。 どんな時代でも、全国各地で暮らす投資家にとっては、セカンドオピニオンが提供可能な、身近に相談できる証券会社が必要になると思います。ですからそうしたお客様の気持ちに応えるよう、私たちも地道に努力をしていきたいと思います。理想論ですが、全ての社員がお客様のことを親身になって考え、お客様と利益を共にする証券会社ばかりになれば、日本の証券業界は今後、永久に繁栄していくはずですから。
冨田 康夫
(トミタ ヤスオ)
株式専門紙、外資系通信社で記者、デスク、編集長として、株式市場、外国為替市場、上場事業会社、銀行、証券会社などを対象に、30年以上にわたって取材活動を展開。現在、「日刊株式経済新聞」編集長。
冨田
地域に密着した対面営業とともに、全国ブランドに育ちつつあるネット取引「トレジャーネット」を持っているのがむさし証券の大きな強みですよね。
小
「トレジャーネット」については、前身のそしあす証券時代に立ち上げから担当役員として関わってきました。コンセプトは「いつでも・どこでも・誰にでも・簡単に・安いコストで・安心して」取引できるというもので、「投資家の皆様が、株式市場で宝物を見つけるためのお手伝いをしたい」という思いを込めてネーミングしました。
2005年にサービスを開始し、幾多の試行錯誤を繰り返し、その都度、お客様のお叱りや要望を聞きながら一つ一つ地道にサービス向上に取り組んできました。こうした姿勢が実を結びつつあるのか、徐々に知名度も上がり、現在では北海道から沖縄まで全国のお客様にお取引をいただいております。特に昨年からは利用者が右肩上がりに増え続け、ようやくサービス向上への積極的な投資が行える段階になってきました。
櫻井
同時期にネット証券事業を立ち上げた証券各社が、先行するネット証券との手数料競争に疲弊し、事業縮小に追い込まれる中で「トレジャーネット」の健闘は光ります。
小
ご存知の通り、ネット取引は手数料の安さに特色がありますが、本当にお客さんが喜ぶサービスはそれだけでは実現できないと考えています。もちろん、「トレジャーネット」の手数料も他社と遜色のない水準にありますが、それだけを誘い水に投資家の資金を集めようという姿勢には疑問を感じます。
では先行するネット証券に対抗するにはどうすればいいか。そこで当社が打ち出したのが、信用金利を圧倒的に低く抑えることだったのです。「トレジャーネット」の最大の特色は信用取引の買方金利を他社と比べて安く設定していることで、これにより建玉の保有期間が長いほど大きなコストメリットが発生します。
冨田
信用金利を低く抑えるという考え方は他社にはない視点ですし、非常に理にかなっていて共感しますね。ネット取引というとデイトレードを連想しがちですが、本来の株式投資はじっくり銘柄を選んで長期で保有することにあります。個人的な見解ですが、デイトレードでは企業の姿なんか意識されないし、言ってみれば単なるゲーム。株式投資には本来、もっとロマンがあるべきだと思う。
小
ありがとうございます。「トレジャーネット」の信用金利は現在、1.39%(制度信用・買方金利、平成26年10月1日現在)に設定しています。どうしても、信用取引と言うと短期でのハイリスク・ハイリターンな投資手法のイメージがありますが、当社の金利なら、これぞと思う成長銘柄に信用取引で長期投資をする、という提案もできる。
櫻井
実は信用金利については、これまで、ほとんどの投資家があまり意識していなかったことなんです。中長期で投資を行うなら最も重要な要素のはずですが、マスコミもネット証券各社もそうしたことをあまり伝えてこなかった。むさし証券の方向性は、こうした現在の証券業界のあり方に“一石を投じる”かもしれませんね。
冨田
ところで、「トレジャーネット」利用者に向けて8月に導入した新情報ツール、「T-NAVI」について詳しくご説明いただけませんか。
小
「T-NAVI」のTはトレジャー、タクティクス(戦術)、トレンドのTを表しています。どなたでも分かりやすい操作で、様々な市況情報、投資判断ツールを利用することができ、リアルタイムで100銘柄までのポートフォリオ管理が可能になりました。これまで導入していたツールと比較して、操作性、機能面全てでレベルアップし、より幅広い投資家の皆様にお使いいただけるのではないかと考えています。
情報の提供については、やはりむさし証券らしく、“投機”ではなく“投資”をするためのしっかりとした情報を提供するよう心掛けています。
櫻井
ただ、いくら情報が豊富でも、ネット取引では、追い証の通知がメールで1本飛んできてそれだけっていうところが多いですよね。
小
投資情報だけではなく「トレジャーネット」には信用取引の預託率がリアルタイムで表示される機能があって、相場急変時のリスク管理に威力を発揮すると思います。
冨田
それは便利な機能ですね。豊富な投資情報とリスク管理、これは投資家にとって最も必要な機能だと思います。
小
また、これまで「トレジャーネット」の情報ツールはパソコンでしか利用できなかったのですが、「T-NAVI」ではスマホやタブレットなどから、いつでもどこでも利用することができるにようになりました。「トレジャーネット」に口座をお持ちのお客様は無料でご利用いただけますので、是非、お試しいただきたいですね。
櫻井
低い信用金利を活用して、「トレジャーネット」で有望銘柄という“宝物”を探し、長期投資で大きな成果を得る。実に魅力的な投資法ではないでしょうか。
小
「トレジャーネット」は今年に入って投信情報の充実、時価情報サービスの導入など、サービス強化に取り組んできました。そして、この「T-NAVI」によって「トレジャーネット」の第2章が始まるのです。
むさし証券株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第105号
加入協会:日本証券業協会